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機能性が付与できるめっきの種類

めっきの特徴のひとつである、機能めっきの特徴についてくわしく解説。どのような機能を付与できるのか、どのような用途で用いられているのかといった情報をチェックしておきましょう。

機能めっきとは

機能めっきとは、単に素材の表面処理を行うだけでなく、皮膜そのものの特性を利用して素材に新たな特性を付与するもの。もともと、めっきは耐食性・装飾を目的として使用されますが、その他の機能を付与できるめっきが「機能めっき」となります。機能めっきには電気的特性・機械的特性・物理的特性・化学的特性・光的特性・熱的特性があるため、それぞれの機能を見ていきましょう。

めっきの機能性一覧表

機能めっきには実にさまざまな種類があり、素材や用途に合わせて適切な方法を選ぶ必要があります。なかには、「この機能を付与したいけれど、対象となる素材とめっき材の相性が悪い」といったケースもあるため、機能めっきを施す際には実績豊富な専門業者のアドバイスが必須となるでしょう。このサイトでは、サイト監修を依頼しているめっきのスペシャリスト「日本電鍍工業株式会社」に、機能めっきの選び方についてもうかがっています。プロの意見を、ぜひ参考にしてみてください。

機能めっきの
種類
使用されるめっき材 例えばこんな製品に使用
通電性
銅・銀・ニッケル・スズ
ブスバー(バスバー:電線に設置された配電盤に使用する金属の棒)
電気接点性
ニッケル・スズ・銀
コネクター(USBやスマホの充電接続部分)
高硬度
硬質クロム・無電解ニッケル
フィルム製造用のロール、金型
潤滑性
無電解ニッケル
シューター(ごみを捨てる際のもの)、シャフト
寸法精度
無電解ニッケル
金型
耐摩耗性
硬質クロム・無電解ニッケル
金型
耐薬品性
無電解ニッケル
化粧品、食品(お酢など使用する場合)、化学薬品を使用する製品
抗菌性
銅・銀
衛生用品、医療用品
反射防止性
黒色無電解ニッケル、黒色クロメート(亜鉛メッキ)
センサー類(車、自動ドア、製造ラインのセンサー)
耐熱性
硬質クロム、無電解ニッケル
金型(製造の際に加熱するもの)、ヒーター部品、原子力の炉、バーナー部品

めっきの種類

めっき加工は、使用する材料によって特徴や用途が大きく異なります。主なめっきの種類についてまとめてみましたので、気になるものがあれば詳しい情報ページをチェックしてみてください。

亜鉛めっき

亜鉛めっきは、鉄を対象とした防錆めっきの代表的な技術。水や酸素などに触れることで錆びやすい鉄素材を皮膜で保護し、耐久性などを高めます。

この亜鉛めっきには、電気を用いる「電気亜鉛めっき」と、電気を用いない「溶融亜鉛めっき」があり、それぞれ特徴が異なります。2つの亜鉛めっきがどのように違うのか、亜鉛めっきのメリット・デメリットと共にチェックしておきましょう。

化学研磨

化学研磨とは、薬品による化学反応を利用した表面処理のひとつ。電気を使用せずに表面処理を行えるのが特徴で、アルミニウム・銅・ステンレス鋼といった素材に対応しています。

薬品に触れている部分すべてが表面処理の対象となるため、その他のめっき加工にはないメリットを享受できるのが特徴。その他、化学研磨にはどのようなメリットがあるのか、気をつける点やデメリットについても目を通しておいてください。

電解ニッケル・無電解ニッケル

加工に電気を使用するかしないかで分けられる、電解ニッケルと無電解ニッケル。しかし、2つの方法の違いはそれだけではありません。処理時間や皮膜の厚さ、対象となる加工物などにもさまざまな違いがあります。

ここでは、電解ニッケル・無電解ニッケルの機能について、メリット・デメリットを交えて解説していきます。ぜひ、参考にしてください。

スズめっき・無光沢銀

どちらも白色の金属であることが特徴の、スズめっきと無光沢銀。この2つの方法について、めっき皮膜の特徴などをまとめてみました。

とくにスズめっきの場合、ウィスカと呼ばれる現象を知っておく必要があります。このウィスカとは何なのか、めっきを施すにあたってどう気を付けるべきなのかについても触れていますので、確認しておきましょう。

硬質クロムめっき

工業用クロムとも呼ばれる硬質クロムめっきは、さまざまな電気めっきの中でも高い硬度を誇るのが特徴。また、膜厚についても用途に合わせて調整できるのが特徴です。

優れた機能を持つ硬質クロムめっきですが、その一方で弱点もあります。メリット・デメリットとしてまとめていますので、ぜひご覧ください。

銅めっき

電気伝導性と熱伝導性に優れており、各種めっきの下地として使われることの多い銅めっき。この銅めっきには硫酸銅めっき・シアン化銅めっき・ピロリン酸銅めっきの3種類があり、それぞれで特徴・用途が異なります。銅めっきの機能と、押さえておきたい利点・欠点と共に見ていきましょう。

金めっき

古墳から出土する青銅器や大仏など古くから使われてきた金めっき。現代では、装飾品にはもちろん、電子部品や工業製品にも多く使われています。金めっきの種類は、純金めっきと硬質金めっきの2種類です。耐腐食性・耐酸化性・電気伝導性・熱伝導性にすぐれ、簡単で良好なはんだづけができます。メリット・デメリットをまとめました。

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取材協力

めっきのプロにめっき加工のイロハを教えていただきました!

日本電鍍工業株式会社:寺内氏代表取締役社長寺内氏

日本電鍍工業株式会社

電気めっき業界の組合、「全国鍍金工業組合連合会(全鍍連)」にて、令和4年度に優良環境事業所の認定を受けためっき加工メーカー。
SURTECH 2023 表面技術要素展では大阪を代表して出展。クライアントの課題を解決するだけでなく、めっきの研究部門を創設し、技術向上に励むめっきのスペシャリスト。