めっき加工のことがよくわかるメディア「めっきのめ」

sponsored by 日本電鍍工業株式会社

錆びを
防ぎたい

電気を
通したい

美しく
加工したい

この問題、
全てめっき加工
叶います。

当メディア「めっきのめ」は、めっきに関するさまざまな悩みを解決するメディアです。モノの表面に機能を付与して価値を高めるめっき加工の魅力を一から十までご紹介します。

めっきちゃん
めっきのめ編集チーム
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取材協力

めっきのプロにめっき加工のイロハを教えていただきました!

日本電鍍工業株式会社:寺内氏代表取締役社長寺内氏

日本電鍍工業株式会社

電気めっき業界の組合、「全国鍍金工業組合連合会(全鍍連)」にて、令和4年度に優良環境事業所の認定を受けためっき加工メーカー。
SURTECH 2023 表面技術要素展では大阪を代表して出展。クライアントの課題を解決するだけでなく、めっきの研究部門を創設し、技術向上に励むめっきのスペシャリスト。

めっきのこと、
詳しく学んでいきましょう!
以下では、めっきの相談事例をご紹介しています。ぜひご覧ください。
めっきのこと、詳しく学んでいきましょう!
目次

めっき加工とは?

ここではめっき加工がどういう加工法なのかを解説します。

めっき加工とは、金属や樹脂(仮にこれをAと呼びます)の表面に金属の薄い膜を被せる加工方法のこと。

めっき加工とは

めっきさせたいAを溶液に浸して、Aの表面に金属の膜を付着させます。
これにより、Aに+@の機能が付与されます。

例えば…
自動車部品はさまざまな場所に
めっき加工が使用されています。

例えば…めっき加工はこんなところに使われています。※参照元:全国鍍金工業組合連合会 公式サイトhttps://zentoren.or.jp/mekki/mekki.html

POINT!

私たちの身の回りには、めっき加工された製品があふれています。例えば、車のバンパーやミラーといった部品類、ナイフ・フォークなどの食器類、スマホやコンピュータ等の電子部品、アクセサリーなどの装飾品、家庭用電気製品など。

めっき加工は用途が非常に幅広く、製造業をはじめとする全産業の基盤として用いられ日本経済の発展に大きく貢献しています。

モノの価値を高められるめっき加工

もともとは装飾を目的として使われていためっき加工ですが、近年では熱伝導性・高硬度・潤滑性・反射防止性・抗菌性といった、さまざまな機能を付与するために使われているのが特徴です。

例えば、アルミ素材にめっき加工を施して電気伝導性を付与する、硬質クロムめっきで素材の硬度を高める、といったように、元の素材の機能を変化させて価値を高めることが可能なのです。

日本電鍍工業株式会社寺内氏 日本電鍍工業株式会社 代表取締役社長寺内氏
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では、めっきとは一体どんな効果があるのでしょうか?
下記ではめっきでどんなことができるかを詳しく紹介します。

めっき加工の効果
めっきでどんなことができる?

めっきをすることで得られる効果はさまざまありますが、大まかに分けると以下の3つとなります。

01

すぐ錆びる金属を錆びにくくするため(耐食性)

すぐ錆びる金属を錆びにくくするため。(耐食性)

無加工の金属は、水や酸素に触れるなどで簡単に錆(サビ)が発生。そのまま放置して内部まで錆が進行すると、金属が腐食して強度が大幅に低下してしまいます。

しかし、錆に強い亜鉛やニッケルなどで表面にめっき加工を施すことにより、耐食性を高めることが可能。身近なところだと、ドアの蝶番や住宅設備を設置するネジ・ボルトなどに使用されています。

02

きれいに見せるため
(装飾性)

きれいに見せるため。(装飾性)

18金や24金を除き、アクセサリー類は真鍮(しんちゅう)・銅・シルバーなど、さまざまな金属でできています。しかし、その金属のままだと錆びてしまったり輝きがなかったりと、アクセサリーとしての役目を果たせません。

そこでめっきの登場です。ニッケルやクロム、金といった金属でめっき加工をすることで、金属のデメリットをカバーすることが可能。見た目を美しくし、製品の価値を高めることができます。

03

新たなアビリティを付与するため(機能性)

新たなアビリティを付与するため(機能性)

めっき加工では、異なる金属の膜を素材に被せることにより、新たな機能を付与することができます。例えば、PCやスマホのプリント基板は電気を通さない樹脂でできていますが、その一部に金や銅といった金属でめっきを施すことで電気接点を作り、通電させることができます。

その他にも、硬度や潤滑性といった機能を追加したり、抗菌性や耐熱性を高めるなど、驚くべき機能をプラスすることができるのです。

日本電鍍工業株式会社寺内氏 日本電鍍工業株式会社 代表取締役社長寺内氏

知っていますか?
めっき加工が地球にやさしいその理由

オリンピックの金メダル、これも実は金めっき

さまざまな効果を持つめっき加工ですが、これはほんの一部。他にもさまざまな効果があります。
例えばオリンピックの金メダル、これも実は金めっき。すべて金でできているワケではありません。純度の高い銀に、金を厚付けで施しているのです。金はとても重量のある金属であり、そのままだと重くて持ち運びが困難。しかも、「金」は限りある資源です。埋蔵量が限られている上に手に入りにくい金属でもあるのです。

つまり、めっきの技術を使うことは、貴重な資源に配慮でき、軽量化も図れるというメリットがあるのです。
もっとめっきの効果を知りたい、こんなこともできるかな?という疑問は、ぜひ一度ご相談ください。

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地球_環境

めっきを
他の加工方法と
比較してみました
~表面処理を学ぶ~

めっきの魅力を知るために、他の加工方法と比べてめっき加工は何が違うのか、どんな役割があるかをお伝えします。
ここでは、「表面処理」と呼ばれる加工方法と比較しています。

塗装とは?
めっき加工との違い

装飾目的やさび止めとして、モノの表面に色を塗る塗装。めっきと比較すると、皮膜の形成に大きな違いがあります。それぞれどのような特徴があるか、また塗装のメリット・デメリットについてまとめてみましたので、ぜひ参考にしてください。

塗装 めっき
特徴

装飾や防錆を目的とした表面処理。塗料を物体に塗布または吹き付けることで、コーティングする方法。

金属を溶液に入れて、金属膜を付与する方法。装飾・防錆のほかに、機能を付けて価値を高める表面処理です。

メリット
  • 安価で手軽に使用できる
  • 比較的簡単に塗り直しができる
  • 多彩なカラーに対応できる
  • 耐久性に優れている
  • 電気的特性
  • 熱的特性などを付与できる
デメリット
  • めっきに比べて強度が低い
  • 損傷しやすく、剝がれやすい
  • 塗膜の均一性が低い
  • 金属同士の相性があり、どの金属でも加工できるワケではない
  • 特殊な設備が必要

アルマイトとは?
めっき加工との違い

アルマイトは、アルミニウムに対する防錆処理の方法で、アルミの表面に形成される酸化被膜を活用します。下記ではアルマイトとめっきと比較して、メリットやデメリットを紹介しています。

アルマイト めっき
特徴

アルミニウムに対して行う防錆処理。電気化学的にアルミニウムを酸化させ、被膜を太らせる加工方法です。

薄い金属被膜で、物質の表面を覆う加工方法。装飾や防錆効果のほか、摩耗性・耐久性などを向上させる効果も。

メリット
  • 錆びやすいアルミニウムの耐食性を向上
  • 硬度、耐摩耗性の向上
  • さまざまな機能を付与できる
  • アルミの弱点である耐熱性を高められる
デメリット
  • 被膜が硬いため柔軟性に乏しく、脆い
  • 耐熱性が低く、温度変化でひびが入ることも
  • アルミニウムへのめっき加工は特殊な処理が必要
  • 工程が複雑で、費用が高額になりやすい

溶射とは?
めっき加工との違い

溶かした材料をモノに噴射して皮膜を形成する溶射は表面処理のひとつとしてよく知られています。めっきと比較した時にどのような違いがあるかをわかりやすく解説していきます。

溶射 めっき
特徴

金属・セラミックなどの溶射材料を溶解・軟化させ、物質に吹き付けて皮膜を形成する表面処理技術です。

物質に薄い金属の膜を被せる表面加工のひとつ。物質の劣化や錆びを防ぎつつ、装飾効果も得ることが可能。

メリット
  • 金属以外の素材も溶射できる
  • 部分加工が容易
  • 多様な機能を付与できる
  • 比較的低コストで大量生産が可能
  • 素材にはない機能を付与できる
  • 薄膜を付けられる
デメリット
  • そりや変形が発生する
  • 小物への皮膜形成が難しい
  • 量産対応が難しくコストがかかりがち
  • 付けられるのは金属の皮膜のみ
  • 素材との相性によっては加工できないことも

エッチングとは?
めっき加工との違い

めっき加工の前処理として活用されることで知られている表面処理、エッチング。めっきと比較することで見えてくる特徴やメリットデメリットをまとめました。

エッチング めっき
特徴

物質の表面を、化学薬品または電気化学的に腐食させる表面加工。

金属の薄い膜で物質を覆う表面加工。装飾や防錆効果のほか、使用する金属によって多様な機能を付与できる。

メリット
  • 金型を作る必要がない分、コストを削減できる
  • 切削などより精密な加工が可能
  • 物質や製品の見た目を良くできる
  • 大量生産が可能
デメリット
  • 工数が多く、大量生産では高コスト
  • 厚板の場合、精密加工が難しい
  • 工程数が多いため作業に手間がかかる
  • 製品と素材の相性によっては加工できないことも

クラッドとは?
めっき加工との違い

クラッドは熱や圧力によって異なる金属素材を接合させて、それぞれの素材特性を融合させた複合材を獲得する加工技術です。クラッドの特徴や種類について、めっき加工との違いをまとめました。

クラッド めっき
特徴

異なる金属素材を貼り合わせることで多機能な複合素材を作り出す加工。

金属素材や非金属素材の表面に金属膜を形成することで様々な機能を獲得させる加工。

メリット
  • 目的とする機能や性質に合わせて複数の素材を選べる
  • めっき加工よりも素材同士の接着性が強固
  • めっき液の工夫などによって様々な素材に対応
  • 比較的低コストで量産することができる
デメリット
  • めっき加工に比べて一般的にコストが高い
  • 加工会社によって技術力や素材再現性に差がある
  • 加工会社によってめっきできる素材が異なる
  • クラッドよりもめっき部分が剥がれやすい

真空蒸着とは?
めっき加工との違い

真空蒸着とは、加熱によって蒸発させた金属を、真空状態で対象物に接触させることで対象表面に薄い金属皮膜を形成する表面加工の技術です。めっき液を使わないため、めっき加工(湿式めっき)に対して真空蒸着は「乾式めっき」と呼ばれることもあります。また似た技術にスパッタリングがあります。

真空蒸着 めっき
特徴

目的の金属を気化させて対象物へ触れさせて、対象物の表面に金属の皮膜を形成する加工法(乾式めっき)。

めっき液に対象物を浸して処理を行い、対象物の表面に金属素材の薄膜を形成する加工法(湿式めっき)。

メリット
  • 金属や非金属のどちらであっても加工が可能
  • 全体的に均一な薄膜を形成しやすく膜品質が高い
  • めっきに使う成分を変更することで特性を変えられる
  • 大量のめっき製品を量産することができる
デメリット
  • 目的の金属を気化させて真空状態で処理する設備がいる
  • 膜厚が薄いために金属被膜が剥がれる可能性がある
  • 対象物のサイズや素材によって加工できない場合もある
  • 対象物の素材によっては事前の処理などが必要で工数が増える

ジオメットとは?
めっき加工との違い

ジオメットは鉄や鋳鉄、ステンレスなど様々な金属素材の表面に金属フレークの積層構造を形成して、耐熱耐食性を高める防錆表面処理加工です。クロムを含有しない水系薬液を利用することで環境にも配慮しており、アルミとのガルバニック腐食についても耐性を獲得することができます。

ジオメット めっき
特徴

金属製品の表面に金属フレークの積層被膜構造を構築し、防錆効果を始めとして耐熱性などを付与する。

金属成分を含有するめっき液に対象ワークを浸し、その表面に金属被膜を析出させる表面加工処理。

メリット
  • クロムフリーで環境負荷にも配慮した表面処理
  • 幅広い金属に利用できて耐熱・耐食性にも優れる
  • 使用するめっき液の成分によって特性を調節できる
  • 様々なサイズの製品について大量生産も可能
デメリット
  • 防錆効果が主な目的であり装飾性はめっき加工に劣る
  • 酸性の環境にさらされると耐食性が低下してしまう
  • めっき液の成分や処理方法によって加工可能な素材が限られる
  • 複雑な形状の製品などに対して不完全な加工になる場合がある

ショットピーニングとは?
めっき加工との違い

ショットピーニングは、金属素材のワークの表面に、鉄や非鉄金属、ガラスでできた無数の粒子(投射材)を衝突させて衝撃を与え、それによって発生する微少かつ大量の凹みによってワーク表面の硬度や強度を高める表面加工技術です。めっき液や高熱などを利用しなくて加工できるため、化学変化や熱変成に弱い素材にも加工できます。

ショットピーニング めっき
特徴

金属ワークの表面に無数の粒子を衝突させて、その衝撃によって表面の性質を変化させる。

任意の金属素材を使用しためっき液にワークを浸し、ワークの表面に薄い金属皮膜を析出させる。

メリット
  • ワークの表面が加工硬化して疲労強度や耐摩耗性などを高められる
  • 使用するショットピーニングの種類によって効果を調整できる
  • 金属素材だけでなく非金属のワークにもめっきできる
  • めっきする金属の特性に応じて様々な性質を与えられる
デメリット
  • ワークの表面が粗い状態になりやすい
  • 条件によっては加工軟化や削食が起こる
  • 複雑な形状のワークなど条件次第で加工困難な場合がある
  • めっき液に浸すことで悪影響を及ぼすワークは加工できない

グラスライニングとは?
めっき加工との違い

グラスライニングは金属素材をワークとして、その表面に耐食性や耐水性、耐付着性などに優れたガラス素材を焼き付けることで、金属の特性とガラスの特性を結合させる複合材料です。グラスライニングは使用するガラスの種類を変えることで製品に異なる特性を得られる点も特徴です。

グラスライニング めっき
特徴

金属素材の表面をガラス素材でカバーして耐食性や平滑性などを高める加工であり複合材料製造技術。

素材の表面に金属成分を析出させて金属被膜を形成し、それぞれの金属特性に合わせた性質を付与する。

メリット
  • ガラス素材が備えている耐食性や金属素材の耐久性を併せ持つ
  • 使用するガラス素材の種類によって性能や特性を調整できる
  • 金属素材だけでなく非金属素材にも加工できる
  • めっき成分の金属によって様々な特性を獲得できる
デメリット
  • 高温による焼き付け作業に対応した素材しか加工できない
  • 複雑な形状の内部などには加工できない場合がある
  • めっき加工が困難な金属素材もある
  • 加工業者によって対応可能なめっき加工に差がある

拡散浸透処理とは?
めっき加工との違い

拡散浸透処理は、加工対象物の表面に金属元素を含んだ粉末や塗料を接触させ、高温で処理することにより金属元素を溶融させることで、加工対象物の表面に金属元素を拡散・浸透させて表面層を作り出す加工法です。高温処理を前提としており加工可能な素材や金属元素などが限られる反面、耐食性や耐熱性、耐久性を高められます。

拡散浸透処理 めっき
特徴

アルミニウムや亜鉛、クロムといった金属元素と、素材を熱処理することで、素材表面から対象元素を浸透させて素材表面に被膜を形成する。

任意の金属を含有するめっき液に素材を浸すなどして、素材の表面に金属の薄膜を析出させて素材表面を金属被膜で覆う表面処理。

メリット
  • 耐食性や耐熱性に優れている
  • 耐摩耗性を向上させ表面強度を高められる
  • めっき液に含有する金属によって任意の特性を得られる
  • めっき槽を使った大量生産などにも対応
デメリット
  • 高温の熱処理を行うために素材の変形が生じる
  • 熱処理を行えない素材に対しては加工できない
  • 対象素材によってめっきできない場合がある
  • めっきが剥がれてしまうと加工特性も失われる

粉体塗装とは?
めっき加工との違い

粉体塗装は乾燥して粉末状にした塗料を対象物に付着させ、高温処理などによって溶着・硬化させて対象物表面に塗膜を形成する加工技術の1つです。粉体塗装は揮発性溶媒を使う必要がなく、塗料の再利用にも適性があるなど、作業員の安全性向上や環境汚染対策といった様々な面でメリットがあります。

粉体塗装 めっき
特徴

対象の表面に乾燥した粉末状の塗料を吹き付け、加熱や紫外線照射によって硬化させて対象物を塗装する焼付塗装の1種。

任意の金属を含んだめっき液に対象物を浸して、対象の表面に薄い金属皮膜を析出させて様々な特性を付与する。

メリット
  • 厚膜の塗膜を形成できるため強度が高くて耐久性も高い
  • 有機溶媒を使用しない塗料を使うため環境負荷を軽減できる
  • 大型のめっき槽を使えば大サイズの加工にも対応できる
  • めっき液に含まれる金属の種類に合わせて被膜特性を調整できる
デメリット
  • 加工には粉体塗装専用の設備や器具が必要となる
  • 現場での応急的な塗装や加工は難しい
  • めっきできる素材に条件がある
  • めっき被膜が薄いために剥がれてしまう可能性がある

表面処理の中でも、めっき加工は
多くの役割をもっています!

表面処理とは、金属・樹脂といった素材の表面に加工を施し、素材とは別の特性を付与する技術。その表面処理方法のひとつがめっき加工です。

めっき加工で素材の表面に薄い金属膜をコーティングすることで、装飾・防錆といった効果のほか、通電性・電気接点性・潤滑性・抗菌性など、実にさまざまな機能・性質をプラスすることができるのです。

このように、金属皮膜の特性を活かして機能を高める技術を「機能めっき」と呼び、その用途は多様です。次項では、この機能めっきについて詳しく解説していきます。

日本電鍍工業株式会社寺内氏 日本電鍍工業株式会社 代表取締役社長寺内氏

さらに深掘り!機能めっきの
世界

めっき加工は他の加工方法と比較しても「機能性が付与できる」という役割があることを説明しましたが、めっきに付与できる機能はたくさんあることをご存知でしょうか。
機能を付与するめっき加工は「機能めっき」と呼ばれ、機能めっきは細分化すると下記の10種類に分かれます。

機能めっきのアビリティ一覧

機能めっきの
種類
使用されるめっき材 例えばこんな製品に使用
通電性
銅・銀・ニッケル・スズ
ブスバー(バスバー:電線に設置された配電盤に使用する金属の棒)
電気接点性
ニッケル・スズ・銀
コネクター(USBやスマホの充電接続部分)
高硬度
硬質クロム・無電解ニッケル
フィルム製造用のロール、金型
潤滑性
無電解ニッケル
シューター(ごみを捨てる際のもの)、シャフト
寸法精度
無電解ニッケル
金型
耐摩耗性
硬質クロム・無電解ニッケル
金型
耐薬品性
無電解ニッケル
化粧品、食品(お酢など使用する場合)、化学薬品を使用する製品
抗菌性
銅・銀
衛生用品、医療用品
反射防止性
黒色無電解ニッケル、黒色クロメート(亜鉛メッキ)
センサー類(車、自動ドア、製造ラインのセンサー)
耐熱性
硬質クロム、無電解ニッケル
金型(製造の際に加熱するもの)、ヒーター部品、原子力の炉、バーナー部品

こんなにあるんですね…!機能めっきってすごいですね!

Navigator:めっきちゃん
日本電鍍工業株式会社寺内氏 日本電鍍工業株式会社 代表取締役社長寺内氏

細分化すると、かなり多くの機能があり、めっきの価値は無限大であることがわかります。

でも…
たくさん機能があることは
わかったけど、
どれが適しているか
わからないな…。

Navigator:めっきちゃん

そこで!

当サイト「めっきのめ」編集チームでは
日本電鍍工業株式会社の
寺内氏に教えていただきました。

めっきのこと、詳しく教えてください!
よろしくお願いします!

おまかせください!

さまざまな効果が期待できるめっきですが、どのような要望が多いのでしょうか?
実は、一番多いのは耐食性です。「めっき=耐食性は当然だよね」という認識を持っているお客様も多くいらっしゃいます。
というのも、さまざまな金属の中で多く使われている金属は圧倒的に「鉄」なんです。そしてその「鉄」の欠点というのがサビです。鉄を使用するにあたって、まずはサビないということを重要視している方が多いのではないでしょうか。
あとは硬さが必要なので「とりあえずクロムをしたいです」という相談も多いですね。クロムというと一般的には「硬い」「きれい」「銀色」というイメージがあります。
例えば、トイレの水道管に使用されている金具を思い浮かべてください。ピカピカしている銀。あれがクロムです。実は、硬さを求めるのであればニッケルでも代用できますし、クロムは細かいところにつきにくいという特徴もあるのですが、さまざまな業界で「硬さはクロム一択」と認識されています。
よって、耐摩耗性や硬化性を高めるためによく使用されています。
寺内様がおすすめしたい機能めっきを教えてください。
ご依頼いただく内容から申し上げますと、無電解ニッケルをおすすめしたいです。
と言いますのも、めっきの依頼をいただく際、厳しく寸法精度が設けられているものがよくあります。中には、全数検査する部品に対してめっきをしたいという依頼も来ます。
このような場合、電気めっきはモノによってつきにくいこともあるので、寸法精度が厳しいものは無電解ニッケルがおすすめです。
電気めっきに比べると比較的高値になりますが、電気めっきを選択した結果、その後トラブルが起きて、無電解ニッケルを選択せざるを得ない状況になることがよくあります。
日本電鍍工業では、めっきの特性を伝えたうえで、なぜおすすめなのかをしっかりお客様にお伝えするようにしています。
機能めっきを知る上で、注目してほしいポイント、また魅力はどんな点になりますでしょうか。
重要なのは、めっきだけですべてを完結しようとしないこと。
どういうことかと言いますと、めっきでできることは限られていて、製品や部品の機械的構造とめっきを組み合わせることで最大価値が提供できるという点。だから、めっきだけで全部やろうとしないことが重要です。
弊社はめっきの会社ではありますが、設計段階から相談されることもあります。その際は、こういう形にしたほうがいい、こういう方向はどうかという話を提案しています。
日本電鍍工業の「ここだけは負けない!」というめっき加工の技術や取り組みについて教えてください。
薬品会社さんとお客様と弊社と、3社で共同開発を行っています。お客様から「こういうめっきにしたい」というときに薬品から開発することもあるんです。
めっきの薬品の性能を120%引き出すというのは弊社の強みだと、自信を持って言えます!

奥が深い…!だからプロに相談を

具体的に、「錆を防ぎたい」「硬くしたい」といった要望で伝えられるといいのですが、さまざまな機能がある分、どの素材でどんなめっきができるか、すべてを把握するのは難しく、そのためにはプロに相談することが重要だということがわかりました。

また、お話を伺う中で、製品の完成形を知らされずにめっきの依頼が来るケースも多いのだとか。こうした守秘義務遵守に則った対応をしているところも、日本電鍍工業が選ばれている理由のひとつとも言えるのです。

機能性が付与できる
めっきの種類

機能めっき 標準膜厚
(μm)
耐食性 通電性 濡れ性
(はんだ)
耐摩耗性 硬度
(Hv)
耐熱温度
(℃)
硬質クロム 10~100 二重丸 二重丸 800-1100 600
(硬度低下)
無電解ニッケル 5~10 丸 二重丸 580
(950)
580
(硬化するが変色)
無光沢銀
(ノンシアン)
3~5 二重丸 60 200
(変色)
電気ニッケル 5~10 150~250
(400~500)
300
(硬化するが変色)
亜鉛 5~10 二重丸 110~140 200
3~10 二重丸
スズ 5~10 丸 二重丸 三角 10前後 240前後で溶融
(半光沢→光沢外観)
日本電鍍工業株式会社寺内氏 日本電鍍工業株式会社 代表取締役社長寺内氏

自社で扱う製品に、
どの機能めっきが適しているかは
プロにおまかせください。

こんな相談事例があります!

めっき加工の相談コラム

他にも…

  • この加工方法しかないのかな…?
  • 開発製品なので守秘義務を果たしてくれる会社に頼みたいな…。
  • この機能もめっき処理で解決できる?

些細な疑問や質問もまずはご相談ください。

【取材協力】

日本電鍍工業株式会社について

日本電鍍工業株式会社について

創業から培ってきた技術を活かし、目的に沿っためっき加工を提案・提供しているスペシャリスト。充実した設備環境で試作・開発はもちろん、量産から検品までワンストップで対応することが可能。数々の実績と研究により、難めっき材への対応も柔軟です。

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「めっきのめ」とは

当サイトは、「めっきのことを知っている人も知らない人も、このメディアひとつですべてが完結するめっき加工メディア」として、めっき加工のプロである日本電鍍工業株式会社の取材協力のもと、Zenkenが制作しています。

めっきを知る上での教科書として、またはめっき加工に関する課題解決サイトとして、ぜひご活用ください。