アルミなどへのめっき加工はDIYできるのか?
DIYめっき加工に必要な材料と機材
まず、DIYによって個人でめっき加工をすることは不可能でありません。また、その際に基材としてアルミニウムなどの素材を基材として選択することも可能です。
例えば個人で電解めっき加工をDIYする場合、必要になるのは大きく以下のようなものです。
- 基本的な道具:めっき加工用電源、めっき槽用の容器、ブラシ、銅線など
- めっき素材と基材:基材(被めっき材)、めっき材
- 化学薬品:めっき液(電解液)、脱脂剤、エッチング液など
- 防護装備:保護メガネ、手袋、防護服など
DIYでのめっき加工手順
表面処理
アルミは表面が大気中の酸素と反応して酸化被膜を形成しているため、まずはそれを除去(エッチング)しなければなりません。そのため最初に脱脂剤で表面の汚れを取り除き、続いて強アルカリの薬剤で参加被膜を除去します。また、アルミ以外の元素がある場合は酸性の薬剤でスマット除去も行います。
めっき液・めっき槽の用意
基材を浸すめっき槽を作るにはめっき液が必要です。
めっき液は塩基性の洗剤とお湯などを利用して作成可能ですが、この際に希釈倍率や温度を正しく調整しなければなりません。
適切なめっき液が準備できればそれをめっき槽に入れて中を満たします。
めっき加工
電解めっきの基本手順
電解めっき(電気めっき)では、めっき槽にめっき素材と基材を浸し、両者を電源でつないで電気を流すことで、めっき素材の金属イオンがめっき液中を移動して基材(被めっき材)の表面に集まり、めっき層として析出するという仕組みを利用しています。
仕上げと後処理
電解めっきを行った後、基材をめっき槽から取り出して水洗いし、十分に乾燥させてから研磨などの仕上げ処理を行うという流れです。
DIYめっき加工のコツとベストプラクティス
電解めっきは基材やめっき材、めっき液の成分(濃度)や温度といった様々な条件で品質が変わる上、電気も一定の条件で流し続けなければならないため、目的のめっき加工を実現するための諸条件を細かく試行錯誤することが重要です。
また、めっき材と基材との距離などもポイントになります。
トラブルシューティング
DIYによるめっきでは前処理やめっき条件が不十分だと表面のめっき被膜が均一にならなかったり、一部が剥がれたり変色するといったトラブルも起こるため、下準備をしっかりと行いましょう。
DIYめっき加工の課題と限界
アルミへのDIYめっき加工は不可能でありませんが、現実的に個人がプロクオリティのめっき加工を再現することは極めて困難です。また人体への安全性や廃液処理といった問題も考えなければなりません。
まとめ
アルミニウムへのDIYめっき加工は不可能でないものの、実際に十分な品質を得ることは非常に難しいため、基本的にはプロに任せることがトータルコストや加工時間で考えるとお得です。